風俗業界の規模を海に例えるなら、派遣型リフレの規模は公園に出来た水溜りだ。広くも深くもない。歴史もない。公園に入り近づかなければ誰も気づかないし、やがて干上がる。しかしまた出現する。
そんな場所で、海のものとも山のものともつかぬ得体が知れない連中が、人知れず蠢いてる。
客は何を求めて派遣型リフレに通うのか。広告サイトは何のために派遣型リフレを取り扱うのか。キャストは何故派遣型リフレで働くのか。従業員は何を思って派遣型リフレの店番をするのか。経営者は何が目的で派遣型リフレを経営するのか。
本書を最後まで読んでも、よく分からないのではないだろうか。
巷にある風俗系の本は、非常に分かりやすく書かれている。例えば、家庭環境が悪く貧困に喘ぐ女の子がどうしようもなくなり風俗で働く。風俗が大好きな男が風俗に通い続ける。ジャーナリストが風俗の現場に侵入して闇を暴く。
そんな本は幾多も出版されており、その分かりやすいストーリー、過激なストーリーに読み物としての価値があるだろう。人間は皆、自分が理解出来て共感出来る分かりやすいストーリーを好む。
しかし、本書はどうだ。登場した各人物目線で派遣型リフレを見つめ直しても、よく分からないのではないだろうか。派遣型リフレという曖昧で得体が知れない業種だからこそ、そこに登場する人物たちも得体が知れないのだ。
派遣型リフレとその他風俗についてもう少しだけ比較させて欲しい。
派遣型リフレが風俗業界の中でもマイノリティである事を証明する分かりやすい指標はTwitter。
風俗店や風俗嬢のツイートは、100RTや100いいねを越える事が珍しくない。しかし、派遣型リフレ関連のアカウントは滅多にそうはならない。
その理由は大きく3つ。
①派遣型リフレを知るユーザー母数がその他の風俗と比較して少ない
②風俗と違い露骨なエロ写真をツイートしない
そして3つ目の理由が、先ほど述べた
③よく分からない
これまで、JKビジネスならびに派遣型リフレの専門書籍がその他風俗と比較して極端に少なかった理由は、その分かりにくさにある。
分かりにくいものを取り扱っても本は売れないのだ。
何故分かりにくいのか。
業界内部の人間が、臭いモノに蓋をするかのように派遣型リフレの実態を隠しているからである。
本書にも登場した大阪難波のJKコミュ『萌えけん』の店長はTVニュースに隠し撮りされた映像にて「JKビジネスはこっそりせなあかん」と発言していた。この言葉は言い得て妙である。正に、この業界の実態を上手く一言で表した名言だ。
そう。私たちはこっそりとしなければならない。分かりにくい場所で分かりにくい事をして、こっそりと楽しまなければならない。決してやましい事があるからではない。この業界が楽しすぎるからこそ、外部に邪魔をされたくないのだ。
つまり、本書の出版は業界に対する裏切りである。前書きにも書かせて頂いたが、改めて関係者各位に謝罪をさせて欲しい。大変申し訳ありませんでした。
時に、桑田は周囲から「何を考えているのか分からない」と言われる事がある。そんな得体が知れない男だからこそ、派遣型リフレの水が合う。派遣型リフレのようにサービス内容や関わる人物がフワッとして分かりにくいからこそ、桑田はこの場所が居心地良い。
読者の皆様は、本書を最後まで読み終えて居心地良さを感じただろうか。もし、そんな人が居たら間違いなくこちら側の住人だ。身内だ。
外部の人間が近づこうとしない派遣型リフレの分かりにくさを理解し、この分かりにくさが快感にすらなれば、あなたは派遣型リフレを分かっている。
是非、桑田が心血注いで開業し、運営を継続するJKMAXへ遊びに来て欲しい。
本書で登場したJKリフレ嬢あるあると合法JKナビは閉鎖してしまったが、それらの意志を継いだJKMAXは毎日桑田が魂を込めて店番している。
JKMAXで身内である読者の皆様と再会出来る事を楽しみにしている。